2014年12月7日日曜日

カスタマージャーニーマップの作り方(CJM)についてまとめてみた

2014年12月7日、日曜日。ちょうど午前2時を回りました。嫁も子供も寝静まり、中学時代の友人が作ったエレクトロニカトラックを聴きながら、ブログを書いています。


カスタマージャーニーマップ(以下、CJM)をつくってみるためのマニュアル
昔からユーザインサイトとかに興味がありまして、その中で最近出会った考え方「カスタマージャーニーマップ」。僕もこいつを作ってみよう、ということで、その前段階として「作り方」をネットで調べてまとめてみました。

――その内容を自分用の「マニュアル代わり」として、本ブログにまとめてみます。

※カスタマージャーニーマップとは?については、前回のブログを参照ください。

そもそも「コンテクスト」が重要
「ジャーニー(旅)」という名称にもあるように、CJMはユーザの感情の動きなど「時系列」に沿って視覚的に表現するモデルです。なので、意思決定のプロセスを定性・定量調査により明らかにし、各段階におけるユーザニーズを掴んで行くことが重要と言えます。

■なぜ「プロセス」を「再定義」する必要があるのか?(AIDMA・AISASとか既にあるじゃん!)
確かにかつては以前から用いられてきた「AIDMAやAISAS」といったフレームで、ユーザの意思決定プロセスで可視化することができていました。

しかし現在、スマホやSNSなどの登場によって様々なチャネルがあり、ユーザとのタッチポイントが従来のフレームだけでは捉えきれなくなってきました。そこで、個別の商品・製品・サービスに応じた「意思決定プロセスの可視化」が求められるになってきたわけです。

・また商材によって「プロセス」が違う
数年に一度しかないようなクルマの購入や保険選びの体験と、毎日消費するような飲食物の購入やニュースの閲覧の体験では、時間軸やサイクルが相当異なります。そのため個別でプロセスを再定義する必要があるわけです。

カスタマージャーニーマップ(以下、CJM)をつくることで得られるメリットとは?
メリットは大きく分けて3つ。

・視野が広がる
・複雑なデータが直感的に把握できる
・施策立案が考えやすくなる

【CJMをつくってみる】フォーマットについて

カスタマージャーニーマップには、定型のフォーマットはなく、自由なフォーマットで利用されていることが多いようです。

しかしながら、

・横軸=時間軸
・縦軸=ユーザーの「行動」「感情」「考え」「タッチポイント(顧客接点)」さらにユーザーの感情の起伏を示す「感情曲線」

を用いることが一般的だということです。

(出典:http://i-plug.co.jp/thinkplatform/ux/16/

■代表的なマップの例
ウェブ担当者フォーラムでは、以下のようなサンプルマップがありました。もちろんすべてがこれに当てはまるわけではないかと思いますが、まずは以下を元に作っていくのが、割と楽なように思います。


(出典:http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2014/03/24/16722

・① 目的・対象 ―― 「Guiding Principles」
UX/CXをデザインするために、商品・サービスを利用する「最も代表的な顧客像」として「ペルソナ」を設定し、行動過程の仮説を検証します。カスタマージャーニーマップを作成する際も同様で、対象となるターゲット像、またその目的やプロセスの範囲などを明確に指定します。これはカスタマージャーニーマップ作成における視点のようなもので、性質の異なるターゲット層がある場合にマップを複数枚作成する必要があります。

・② タッチポイント ―― 「RAIL EUROPE」「DOING」
プロセスの段階によって性質の異なるタッチポイントはたくさん存在します。これらのタッチポイントをフェーズごとにマップ上で整理・提示します。

・③ 顧客行動 ―― 「DOING」
この項目で重要なのは、調査データに基づいた「事実」を記述することです。カスタマージャーニーマップの作成には、臆測ではなく、Webサイトのアクセス解析を始め、ユーザー行動観察調査やインタビュー、アンケート、現場に寄せられた情報といった多様な手段で収集したデータから読み取った行動をパターン化し、図式で分かりやすく表現するのが一般的です。

・④ 思考・感情 ―― 「THINKING」・「FEELING」
カスタマージャーニーマップの一つの特徴としては、定量的なデータだけでなく、定性的なデータも反映されるところにあります。これらの情報からユーザーのインサイトを把握でき、UX/CXデザインにおいて非常に参考になります。

・⑤ 課題・改善点 ―― 「Opportuneties」
マップを作ること自体が目的にならないように大きな意味を持つ項目です。行動や心理から何が見えてくるのか、タッチポイントはそれぞれどう機能しているのか、どこに問題があるのかなどの発見と課題を洗い出し、改善の示唆を記入します。

【CJMをつくってみる】ざっくりとした流れ
■STEP1:顧客の属性をもとに、ペルソナをつくる
自分の身の回りを見渡してみて、仮説として数パターンのペルソナをつくります。

・たとえば旅行者のCJMをつくるとしたら
ファミリーで旅行をする人、一人で旅行をする人、カップル・夫婦で旅行をする人、学生同士で旅行をする人、親子で旅行をする人、女子旅、男子旅、シニア旅など

→「ファミリー旅行」「一人旅」「カップル・夫婦旅行」「親子旅行」「学生旅行」「女子旅」「男子旅」「シニア旅」の8つに分類

(出典:http://www.d2c-smile.com/201408282941

■STEP02:仮説で作った上記ペルソナを元に、プロセスを作ってみる
まずは仮説になるとは思いますが、ペルソナに対して意思決定プロセスを作ってみます。

・たとえば海外旅行者なら
海外旅行のプロセスを「計画前」「計画・情報収集」「予約」「準備・出発・移動」「観光・宿泊」「帰国」という6つに分類してみます。

(出典:http://www.d2c-smile.com/201408282941

■STEP03:アンケート・ヒアリング調査を行う
ここからは実際のユーザに話をきいてみます。方法は2つありまして、「事前のアンケート調査」と「One on oneのヒアリング調査」となります。



(出典:http://www.d2c-smile.com/wordpress/wp-content/uploads/2014/08/20140824-11.jpg

先ほどのプロセス6分類の一つづつに対して、例をつけながら、

・「どんな行動をしますか?」
・「関心があることはなにか?」
・「意識することはなんですか?」

を拡大質問で話をきいていくイメージかと思います。

(でも、「関心」「意識」の違いがちょっと分からないな……。実際のサンプルとかを見てみると、「関心」=「左脳的に損得で考える部分」、「意識」=「右脳的な欲求部分」とい感じだろうか?)

■STEP04:顧客行動の清書
上記のアンケート・ヒアリングの内容を、CJMのフォーマットに落とし込み、清書していきます。

・「ユーザ行動」項目について
ユーザの行動をミクロ的に可視化していく項目で、サンプルでは「サークル」「ライン」などの記号が描かれています。この図形をつくることでユーザの行動がより可視化されます。

・顧客の行動は次の3つのパターンのいずれかで表される。
-時間軸がない行動群(Ongoing, non-linear)
ある目的のために行う時系列に沿わない一定のプロセス

-何かが終わって何かが始まる行動(Linear process)
ある行動が終わって次の行動が始まるプロセス

-時間軸がある行動群(Non-linear, but time based)
ある目的のために行う時系列に沿った一定のプロセス

その中で出てきた「ユーザ課題」に対して、我々ができることをディスカッションしながら決めていくことで「我々のすべきこと・しないこと」があぶりだされてくるようです。

さいごに
いかがでしょうか?調べてみたら、なんとなく行けるような気がして来ました!来週から早速スタートしてみます!

2014年12月4日木曜日

「顧客とつながる『カスタマーエクスペリエンス』」まとめ―宣伝会議2014年1月号より

こんばんは。

今日は宣伝会議2014年1月号より、「カスタマーエクスペリエンス(CX)」について、まとめ記事を書こうと思います。自分の勉強のために。


そもそも「カスタマーエクスペリエンス(CX)」とは?
ITproのこの記によると、

カスタマー・エクスペリエンスは「顧客経験価値」と訳すが、それにしてもモヤっとしていて分かりにくいかもしれない。平たくいうと、「商品・サービスの選定、購入、利用、サポートまでの経験を通じて顧客が感じる価値。小売業であれば、店に行き、出るまでの全体験に満足を与える経営手法」と定義できる。


とされています。

・ポイントは「サービスデザイン」という考え方
顧客に提供されるのはすべてが「コト」であり、「モノ」はその構成要素のひとつに過ぎない。ようは「モノ」ではなく「コト」を優先的に考えることが大事だと言います(p31)。

まぁ、当たり前ですね。でも、いざ発信者になった瞬間、これを忘れてしまう……。イカンイカン。

「カスタマーエクスペリエンス(CX)」というコトバが出てきた背景は?
生活者の購買形式の多様化・複雑化が背景。

具体的には、急速なデジタル端末の普及により、「テレビのリモコンであれこれとチャンネルを切り替えるように、そのときの気分に合わせて情報収集を行っている(p28)」から。

その中で「マーケターに求められる視点は『顧客中心』です。『顧客中心』をもっと具体的に言えば『生活者を深く理解し、その行動に沿ってコミュニケーションの有効性を見極めること』(p28)」がより求められるようになってきました。

「カスタマーエクスペリエンス(CX)」を高めるための考え方
「カスタマーエクスペリエンス」 を高めることを目的に、生活者を深く理解するためにはどんなフレームで物事を考えればいいか?

そのためには「カスタマージャーニー」を考えることだと言います。

カスタマージャーニーでは、どんな生活者がどのように商品・サービスを認知し、関心を持ち、購買に至るのかという一連のプロセスを分析・可視化します。

「カスタマージャーニー」へのアプローチ方法とは?
そのための分析手法はいくつかあるそうで、p30では3つの手法が紹介されています。

■(1)リアルタイム・エクスペリエンス・トラッキング
ユーザに調査テーマに関して感じたことや、実際の行動をスマートフォンで報告してもらう手法。

僕が知っている限りだと、インテージさんがやっている「みんレポ」がそれに当たるのでは、と。 http://minrepo.com/service/about/

■(2)ラボでの行動観察調査
実際にユーザにラボにてwebサイトを利用してもらい、その時の行動を観察する方法。

■(3)エスノグラフィー調査
一定期間ユーザと一緒に過ごす中で行動を観察し、インタビューを行う手法。いわゆる文化人類学のフィールドワークのアプローチが元になっているそうです。

どれも調査方法にもポイントがあります。

それは、ユーザの「意見」に頼らないこと。意見に頼りすぎてしまうと、本当のニーズを見誤る可能性があるそうです。なぜなら人は自分のニーズは言語化できないからです。

「カスタマージャーニー」をつくり→サービス設計に落としこむまで
海外旅行を想定したカスタマージャーニーマップの例(p35)

■STEP(1)ペルソナを定義する
・調査会社などが発表する定量データをもとにユーザをカテゴライズし、カテゴライズされた実際のユーザにヒアリングを行い定量面から具体的に定義します。

■STEP(2)シチュエーションニーズを定義
たとえば海外旅行なら、「計画前」「計画・情報収集」「予約」〜といった具合に、ステージに分類。

そのステージごとにユーザの「関心」「意識」を質問していき、シチュエーションニーズを掴みます。

■STEP(3)マーケティング機会を洗い出す
シチュエーションニーズに対して、どうすればCXを向上できるか?を考えます。

さいごに
CXやカスタマージャーニーを今回少し勉強をしてみて思ったのは、以下の2つ。

■発信者・提供者側のジレンマ
自分のことを振り返ってみても、

「テレビCMで気になった商品はすぐにスマホでググってみる」
「旅行に行くときは、まずはネットで探して、深堀りは『本・雑誌』で行い、さらなる調査はネットの口コミで」

といった具合にタッチポイントが多岐に渡ります。

しかし、発信者・提供者側に立った途端、画一的なユーザの捉え方しかできなくなってしまう。これではいかんなぁ、と。

(まぁ理由は色々あります。『ユーザのタッチポイントを考えすぎると、時間が足りない』とか『そもそも予算がない』とか『webは分かるけど、紙はわからない』とか。そう考えると『なぜ発信者になった瞬間、受信者の気持ちを忘れてしまうのか?』という本質的な問題にぶち当たります)

■業種業界を問わない考え方
CXは顧客中心に据える考え方なので、この技術・感覚を持ってれば、割とどんな業種・業界でも食っていけるなぁ、と。

自分にとって「CX」とかは結構興味がある分野なので、もう少し勉強を進めていくことにします。