2014年11月20日木曜日

「IT業界向けのLINEスタンプ」で使われている用語を解説してみた。

IT業界向けLINEスタンプが先日登場しましたよね。

社内でも割に流行っていて、しかもこのスタンプの送り合いだけでやりとりが完結する場合もある(笑)。

ex)「今日のミーティング『リスケで』」→「それアグリーで」→「レス早いね」とか

どんなやねん、って感じですが、悲しいけどこれがIT業界なのよね。



じゃあ実際、このスタンプで使われている用語がどれだけ人口に膾炙しているかっての気になって、嫁(フリーのWebデザイナー)にきいてみたところ、「ほとんど知らん」って。そんなもんかー。じゃあ、分からん人も多いだろうから解説してみるか、ってことで解説してみます。

この業界に入ってまだ日が浅い方・新卒の方、必見ですよ!

※業界の中では用語を使用について否定的な人もいるのですが、その議論はまた別の機会に。個人的にはあんまり使いすぎるとバカっぽいなー、くらいに思っている感じです。
(まぁ、このスタンプ受けるってことは、そう思っている人が多い証拠のような気がします)


■「リソース空いてる?」
リソース=資源。転じて、目的を達するために役立つ、あるいは必要となる要素という意味。「空いてる?」=作業の(時間的・人的)余裕ある?という理解でいいかと。

■「リソースパツパツだわ」
「作業の余裕」が「パツパツ」=ギリギリかつかつ=「作業の余裕はない」。

■「エビデンスとった?」
エビデンス=証拠。ちゃんと証拠を残した?という意味。ITの世界は(に限らずですが)「言った、言っていない」の水掛け論が多発する業界なので、証拠は大事。修正内容を口頭だけではなく、メールでもらうとかね。その時に「メールでエビデンスもらった?」とか。

■「フルスクラッチ?」
既存のものを一切流用せずにまったく新規に開発すること。

普通は公開されているプログラムの部品などを組み合わせて開発するけど、それが何らかの理由でできない場合は、イチからつくる。死ぬほど大変、かつ、(この作業、本当に必要だろうか?という疑念)に苛まれる開発方法。

■「バッファ持っている?」
バッファとは「元々は物理的な衝撃を吸収して和らげる緩衝器」の意味。転じて、「余裕」みたいなニュアンスで使われる。

1時間でできそうな作業を任された時、正直に「1時間でできます」なんて言ってしまい、やってみたところ想定外なことが多く1時間どころか5時間くらいかかって、相手からの信用を失った、てなことって普通にありますよね。

そんな場合を想定して、「(1時間でできそうだけど万が一のトラブルに備えて)……3時間くらいかかりますね(2時間のバッファを持っている)」と答えておくわけです。

■「ローンチしました」
Launch=立ち上げるという意味から、サービスの「最終リリース」という意味で使われる。

■「そのスキームね」
Scheme=戦略。この場合は、「そのアイデアもあるね」くらいの軽い意味。

■「ジャストアイデアだけど」
「思いつきですが……」。会議の時、何か意見を求められた時、適当に思いついたことをいう時に保険的に使う。「その意見、単なる思いつきだね」と思われないために……。

■「オンスケで!」
「On Schedule」=スケジュール通りですって意味。「My task progress is going on schedule.」という感じで、英語でも伝わるらしいです。便利ですねー。

■「バジェットあるねぇ」
Budget=予算。開発の予算はいつもカツカツで、バジェットが潤沢にあるのは稀。というか、僕はそんなプロジェクト知らない(笑)

■「バグったわ」
BUG=虫。転じて「バグる」=虫が侵入して、仕様書にない異常な動作をする状態。まぁ、これはよくゲームとかでも使いますね。

■「ユーザビリティいいね!
使いやすいね!くらいの意味。でも「ユーザビリティいいね」って言ったほうが、なんとなくプロっぽいでしょ?その程度の話。

余談ですが、例えばアプリを使ってみた時、コンテンツそのものではなく、ユーザビリティについつい目が行ってしまうのがIT業界人のサガ。たまたまダウンロードしたアプリがめちゃくちゃ使いやすいと、同じ業界の人間として嫉妬。

■「デフォルトで」
Default=何も触らない。ニュアンス的に「初期設定」っぽい使われ方で、日常生活でも使われる言葉かと。

■「なる早で」
「なるべく早く」。よっぽどの理由がない限り、エンジニアさんに「なる早」とかいうと、キレられます(そりゃそうです)。

なので、「なるべく早くやって欲しい」と思っていても、必ず相手が今どんなタスクを抱えているかを確認した上で、「具体的に●●時までにお願いします」という感じで仕事を依頼するようにしましょう。

■「リスケでお願いします!」
Rescheduling=スケジュールの再調整。急な仕事が入って、都合がつかなくなった時に、再調整させてください!という時に使います。

■「プライオリティ高いの?」「プライオリティ低いなそれ」
Priority=優先権。仕事は優先順位が大事。目の前の仕事に追われ近視眼的になってしまっている時に言われてハッとする言葉。

■「タスク管理できている?」
そのままですが、このスタンプでは進行管理的がちゃんと出来ている?というニュアンスに近いです。

開発業務では多くの人間が関わるので、どの業務が未着手で、どの業務がすでに終わったか?などの進行状況の管理・把握がめちゃくちゃ大事なんです。その管理・把握がちゃんと出来ているかどうかが、プロジェクトの勘所だったりします。

■「リテラシー低いね」
Literacy=「何らかの表現されたものを適切に理解・解釈・分析・記述し、改めて表現する」的な意味。日常生活でもよく使われるけど、この場合は当然「ITリテラシー」の意味です。

■「モチベーション低いわぁ〜」
Motivation=動機付け。これも普段よく使いますね。

■「それアグリーで!」
Agree=同意。どっちかというと、白黒はっきりさせたいときに使います。会議とかでアチコチ話がとんでしまって「結局どっちなの?」となった時、「アグリー?
」「アグリーで!」という感じで、態度をはっきりさせます。

■「FIXで」
Fix=固定する。転じて、「決定する」。これも白黒はっきり付けたいときに使う言葉。仕事って関わる人間が多いほど、なにか決まっているか?決まっていないか?をちゃんと把握することが重要。「これとこれはFIXだから、進めていい。だけど、これはFIXしてないから、進めてはダメ」とかね。

■「ペンディングで」
Pending=ぶら下がり。転じて、「先送り」という意味。「ミーティング、ペンディングで」は、「ミーティング、先送りで」という感じ。

また「凍結」や「保留」というニュアンスもあり、「この案件、ペンディングで」という時は「この案件、一旦、手を付けないで」的な意味にもなります。そういえば、前の上司は「『P』で」とか言ってた人もいましたねー(笑)

■「ブラッシュアップお願いします」
「ブラシをかけて磨くこと」。そこから、「さらに良くして」とか「詳細詰めて」とかいう意味。「じゃあ、このアイデアをブラッシュアップしていこうか」といった感じで使われます。

■「シズル感あるね」
シズル=「肉とかがジュ~ジュ~焼けて、いかにも『食欲をそそる』感じ」。そこから、「そそるわ〜〜」とか「セクシーだわ〜〜(性的な意味ではなく)」てなところでしょうか。IT用語というよりは、広告用語かな?「シズル感のある写真だね〜=『そそる』写真だね〜」みたいな意味。

■「トンマナOK?」
トンマナ=トーン&マナー=「調子と様式」。クライアントが大切にしている「デザインテイスト」とか「ブランドイメージ」に合っているか?という場合に使われます。これも広告用語だと思う。

■「カニばっているわ」
カニバる=カニバリゼーション。自分の商品・サービスが自社の他の商品・サービスを侵食してしまう「共食い」してしまうこと。「こういうサービスをやりたいけど、既存のサービスとカニばる部分もあるから、そこ考えとかないと」みたいな感じで使われます。

■「フィードバックするね」
フィードバック=反応などの結果を参考にして修正し、より適切なものにしていくこと。「上司から企画書のフィードバックをもらう」=「企画書の修正ポイントを指示してもらう」。時々、「FB」と略す人もいます。FBと書くとFacebookみたいだけど。

■「レス早いね」
レス=Response。反応。転じて、「メールの返信」や「支持した仕事に対しての対応」みたいなニュアンス。「ぜんぜんレスがない」=「ナシのつぶてである」

■「コンスタントに稼ぐね」
Constant=いつも一定している様。「コンスタントに稼ぐね〜」=「定常的に利益上げてるね〜。安定しているね〜」というポジティブな意味。

■「バズるわ!」
バズる=BUZZる。ソーシャル上で話題になること。「このネタ、いまソーシャル上でバスっているね」という感じで使う。

■「ブレストしよう」
ブレインストーミング=集団でアイデアを出し合うことによって相互交錯の連鎖反応や発想の誘発を期待する技法。広くアイデアを広げるために、厳密には「意見を否定しない」といったルールがあるようですが、そのルールが守られているところを見たことがない(笑)。

「僕はいまノーアイデアなんだけど、皆でざっくばらんにアイデアを出しながら、形にしていこう」といった多少他力本願なニュアンスが隠れていることに注目。

■「それコミット?」
Commit=引き受ける、とか約束するというメッチャ意味の広い単語。転じて、「やりますってことを意思表明する」というニュアンスだと思って頂ければと。なので「それコミット?」と聞かれた時は、相手は「言質」を取りに来ているわけですね。

■「シェアしとくね」
Share=共有。「シャアしときます」=「共有しておきます」=「つたえておきます」くらいの他愛ない意味。これは単純に横文字に置き換えただけの言葉だな〜。

■「ロジックおかしいよ」
Logic=理屈。「その意見、どういうロジックなの?」=「どういう理屈なの?理由は?」(ちょっと高圧的)。これも単純に横文字に置き換えただけですね。

■「それ宿題として持ち帰ります」
この場合の「宿題」とは、「我々の社内に帰って確認・調査する事柄」くらいのニュアンス。クライアントとの打ち合わせの時に、クライアントから思いもよらない質問・指摘を受けた時に、適当に取り繕わず「宿題として持ち帰ります」と言って、その場をやり過ごします。

■「アウトプットいいね」
この場合の「アウトプット」は「目に見える状態での最終形」。ブレストを重ねた後の「企画書そのもの(体裁・デザインを含める)」だったり、「実際に動くプログラム」だったり。当たり前だけど、どんなに良いアイデアでも「最終形」がヘボだと全く意味ない。「アウトプットコケれば、みなコケる」ということわざもあるくらい(ないか)

■「ハンドリングできてる?」
handling=処理、運用、取り扱い。この場合は、「振り回されずに、ちゃんと主導権持って進めている?」というニュアンス。「クライアント、ハンドリングできてる?」=「クライアントの言うこと・支持することを鵜呑みにせず、ちゃんと調整しながら進めている?」。「あの案件、ハンドリングできてる?」=「あの案件、ちゃんとコントロールしてる?遅延やトラブルになってない?」というくらいの意味。

■「リリースしました」
サイトやサービスが世の中に出た的な意味。

■「インプットした?」
この場合は、「ちゃんとあの人に用件を伝えてある?(伝えてないでしょ?)」というニュアンス。


というわけでガーッと一気に解説しましたが、実際にやってみた感想としては、意外と説明に手こずったセリフもありました……。僕もIT業界に毒されてしまってるんでしょうか(笑)

※上記説明は決して厳密なものではなく、あくまで僕個人の「イメージ」だと捉えてくださいね。また業界・会社によっても微妙にニュアンスが異なる場合があるので、そこはご了承ください!

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